ホーム > よくあるご質問 > 2020年10月のよくあるご質問
補助犬がレストランなどの飲食店に同伴するとき、テーブルの下など、使用者さんの足元で待機しています。
補助犬は、使用者さんの食事中もしっかりおとなしく待つことができます。もちろん、テーブルの上の食事を欲しがったりもしません。
補助犬は毎日決まった時間にドッグフードをもらっていますし、人間の食べ物を与えないようにして訓練されているので、「テーブルの上は自分とは関係のない食事」と思ってのーんびり待機しています。
だから、お店の方や周囲の方へのお願いです!
まずはどうぞ温かい気持ちで受け入れてください。
補助犬と一緒だからと言って特別扱いは必要ありません。もしも、迷惑な行動があればはっきりと使用者さんに伝えてください。例えば、通路に補助犬のしっぽがはみ出していたりしたら、優しく教えて下さると助かります。
そして、「本当に補助犬かな?」と思ったら、「補助犬の体についている表示」と、使用者さんが携帯している「認定証」を確認してください。どちらか一方でも欠けていたら、お店の利用はできないと補助犬法で定められています。
補助犬の平均寿命は、ペット犬と大体同じ13歳くらいです。(補助犬として最も多く働いている犬種、ラブラドールの場合。)
「補助犬はお仕事のストレスのせいで、寿命が短い」というのは、完全な都市伝説!きちんとした調査で、補助犬の寿命はペット犬とほとんど変わりがないことが証明されています。当会副理事長の木村佳友も「介助犬の頭数調査 ~頭数推移、代替率、平均寿命~」の調査の中で、介助犬の平均寿命は12.7歳と報告しています(調査の内容は日本身体障害者補助犬学会の学会誌「日本補助犬科学研究第12巻1号」に掲載されています)。
ユーザーによる毎日の健康チェック、衛生管理や、定期的に獣医師の診察を受けているため、平均寿命よりも長生きする子も多くいます。補助犬たちは、ユーザーさんにたくさん褒めてもらえるお仕事をして、毎日しっかり衛生管理・健康チェックをしてもらってるのが長寿の秘訣かもしれません。
補助犬がお洋服を着ている主な理由は、「抜け毛の飛散を防ぐため」です(もちろん、その他の理由でお洋服を着せている場合もあります)。
補助犬使用者さんたちは、周囲の方に迷惑をかけることがないように日ごろから補助犬たちの衛生管理には気を使っています。定期的なシャンプーやお出かけ前のブラッシングなどで、できる限り抜け毛が飛び散らないようにしているんですよ。
それでも毛が落ちるのをゼロにすることはできないので、「マナーコート」という洋服を着せる使用者さんもいます。
また、使用者さんたちは飲食店などの店舗内で犬が「ブルブル」(体を震わせること)しないように気を付けています。ただ、「ブルブル」は犬にとって気分転換の意味もあるので、ただ制止するだけでなく、外など多少毛が落ちても問題がないところまで連れて行って、ちゃーんとブルブルさせてあげていますので、ご心配なく!
気持ちよく受け入れてもらうために、使用者さんたちも努力してるってことを、ぜひ皆さんに知って頂きたいです。
「身体障害者補助犬法」では、補助犬への表示の義務と、補助犬使用者への認定証(盲導犬ユーザーは使用者証)の携帯を義務付けています。この義務をしっかり果たしているユーザーと補助犬のペアは、公共交通機関やスーパー、レストランなどへ一緒に入ることができます。
この表示義務、携帯義務は、国で決められた基準を満たしているユーザーと補助犬であることを証明するとても大切なものです。だからもし、ユーザーさんが認定証をお家に忘れてしまったら、補助犬と一緒にお店を利用することはできなくなってしまいます。皆さん、運転免許を持たずに車を運転したりしませんよね?認定証(使用者証)も、それと同じイメージです。
また、残念ながら、この「補助犬法」を悪用してペットを補助犬と偽って店舗や施設を利用しようとする方もいるようです…。これらの人と区別を明確にするために、補助犬かどうかの確認が必要な場合、事業者はユーザーさんに認定証の提示を求めることができます。補助犬を受け入れる際に「認定証を確認させていただけますか?」と声をかけることは、補助犬使用者に対して失礼にはあたりません。
避難所でも、補助犬は使用者さんが避難生活する場所に一緒にいます。
非常時だからこそ、周囲の皆さんの理解が使用者さんや補助犬の安心につながります。ぜひ、覚えておいてください。
環境省が作成している「人とペットの災害対策ガイドライン」のコラム欄で、「補助犬の避難所同伴避難」について紹介されています。
ここでは、補助犬は「ペット」とは異なり、避難所においても「身体障害者補助犬法」に基づいた対応が求められる、と書かれています。
つまり、【原則として「使用者」と「補助犬」を分離せず受け入れるべき】ということなんです。
もちろん、避難所には様々な事情を抱えた方が集まります。アレルギーがある方、犬が苦手な方など…。そういった場合には、できる限り生活圏内を離したり、別室を用意するなどの対応で解決することができます。
これらのことは、実際に避難所が開設されたときに慌てないためにも、事前に対応を考えておくとスムーズですね!今はコロナウイルスの影響で難しい部分もありますが、平時の「避難訓練」もとっても大切です!
皆さんに覚えておいてほしいのは、
◎ペットは基本的に「同行避難」=一緒に避難所まで行けるが、人と生活する場所は離れる。
◎補助犬は「同伴避難」=避難所内でも使用者さんと一緒にいる。
です。
もし、避難所に行ったときに、困っている使用者さんがいたら、ぜひ声をかけてサポートしていただけると嬉しいです。
皆さんもご存じの「身体障害者補助犬法」では、スーパーやコンビニ、病院やレストランなど、不特定多数の人たちが利用する場所は、補助犬を連れた障がい者たちも安心して利用できるということを定めています。
しかし、その法律が成立して18年が経過した今も、出かけた先で「犬は困る」、「他のお客様の迷惑になる」といったことを理由に、入店を断られる「同伴拒否」はなくなりません。
法律で認められているにもかかわらず、補助犬を連れていると同伴拒否を受けてしまうという悲しいことが起こっているんです…。
日本補助犬情報センターの2015年の調査では、アンケートに答えてくださった補助犬使用者のうち、6割以上の人が過去1年間に何らかの同伴拒否を受けたという結果が出ました(詳細は、当サイトに掲載している「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査」をご覧ください)。
悲しい思いをする補助犬使用者さんと補助犬をこれ以上増やさないためにも、皆さんにお願いです!
補助犬のことを正しく理解してください。補助犬は飲食店等のお店や公共交通機関などでもマナーをしっかり守って行動しています。
「よくわからないから断ろう…。」ではなくて、「まずは受け入れてみよう!」のマインドが広まると嬉しいです。
犬の目は人間みたいに色の区別ができないって知ってたかな?
盲導犬が使用者さんに教えてくれる情報は3つだけなんです。
「段差」「曲がり角」「障害物」の3つを教えることで、ユーザーさんが安心安全に歩けるお手伝いをしています。それ以外のことは、ユーザーさんが判断して犬に指示を出しています。
なので、盲導犬に「どこどこまで連れて行って!」とお願いしても、きょとん?とした顔で見上げられてしまいます。
目的地までの道順をイメージして歩くのは使用者さんの役割です。盲導犬使用者さんと盲導犬はそれぞれ役割分担して、共同作業で歩いているんです。
同じように、横断歩道を渡れるかどうかも、使用者さんが車などの周囲の音を聞いて判断しています。音が鳴る信号機の場合は、その音を聞いて判断します。音が鳴らない場合は、「自分の前を横切る車の音がしているとき」は信号が「赤」、「自分が進みたい方向と同じ方向に車の音がするとき」は信号が「青」と判断しています。それ以外に、周囲の人が渡っている気配なども参考にすることがあるそうです。
皆さんへのお願いです。盲導犬使用者さんに限らず、視覚に障害のある方が横断歩道の前で困っていたら「赤ですよ」「青になりましたよ」などと一声かけていただけると、安心して渡ることができます。
そして、補助犬たちは切り替えがとっても上手!例えば、盲導犬ならハーネスをつけると一気に凛々しくお仕事モードになりますが、お家に帰ってきてハーネスを外すと、遊んだり、甘えたり、時にはちょっぴりいたずらしちゃうこともあるんです。
「補助犬って1日中働かされてかわいそう!」と思い込む前に、補助犬たちのユーザーさんと一緒の幸せな生活のこと、ぜひ知っていただけたら嬉しいです。
当会副理事長で、介助犬使用者の木村佳友からの補足
補助犬の仕事は、平均的に「1日のうち2~3割」ですが、使用者の生活様式によって異なります。
私は在宅勤務だったので、出勤、買い物、食事、趣味などで出かけないときは、シンシアも、エルモも、デイジーも、家で落としたものを拾ったり、ジュースや電話を取ってきたりするだけなので、仕事は1日のうち1~2時間くらいです。
でも、いつ仕事を頼むかが決まっていないので、そばにいて直ぐに手助けしてくれるのは、とても助かります。
聴導犬は耳が聞こえにくい、聞こえない方に生活に必要な音を教え、音源まで誘導してくれます。チャイムの音、電子レンジの終了音、洗濯機の終了音、お湯の沸いたやかんの音、キッチンタイマーの音、携帯電話の着信音、FAXが届いた音、お風呂の沸いた音、目覚まし時計、赤ちゃんの泣き声など、生活する上で大切な音ってたくさんありますね。
聴導犬が音を知らせる時は、吠えるのではなく、ユーザーさんの体にタッチをして知らせます。そのあと、ユーザーさんをちゃんと音がなった場所まで連れて行きます。
そして、もう1つ聴導犬にとって大切なのが、外見上わからない「聴覚障害」という『見えない障害』を、聴導犬と一緒に居ることで『見える障害』に変えてくれる、という役割もあります。
聴導犬チャンプが、タイマーの音をユーザーさんに教えている様子を紹介します!(動画は「2020ほじょ犬の日ムービー」より)