ホーム > UDアドバイザー通信 > 第1回「スカイツリー:視覚障害者による確認会」
当会では「東京スカイツリータウン®施設UD(ユニバーサルデザイン)アドバイザー」をオープン時より務めさせていただいております。2015年度で3年目になり、とても光栄に感じています。
オープニング前に、障害当事者の方々、20名ほどによる確認会を実施しましたが、今回はオープン後、初めてとなる確認会を実施しました。オープンしていることもあり、個人単位での確認会をプログラムしましたのでその様子をご紹介します。
入り口付近のアクセスから確認です。点字ブロックの位置や触地図(フロアマップが凹凸で作られており、視覚障害者が手で触りながらマップを確認します。)、音声案内、チケットカウンターでの対応、各所に設置されている点字案内の確認、トイレの確認、そして何より大切なスタッフの皆様の声かけ対応等、様々な視点からの確認を行いました。この確認をする当事者の方は、様々な神経を張り巡らせなければならないので、大変だと、同行していて思いました。とはいえ、当事者でなくてはわからない視点がたくさん、やはり当事者の方のご協力なくしては、ありえません。
今回とても新しい発見が1つありました。
4階東京スカイツリーチケットカウンターでおつりをもらう時、「介助者ではなく、当事者に話しかける」や、「お札とコインを別々に説明して手渡しする」などという基本的なことは当然ではありますが、今回、展望台のチケットとレシートが同じ材質&形状だったので、区別がつかなかったのです。発券機から、入場チケットとレシートが同じ紙に印刷されて続けて出てくるので、渡された際に、触った感覚では区別がつきません。ですので、視覚障害者Nさんからは「チケットとレシートがわかるよう、スタッフの方には、レシートを折って渡すなどの配慮をしていただけると、助かります。」とアドバイスをいただけました。これは、実際にやってみないとわからないことでした。
施設の様々なところに貼ってある点字の確認もしていただきました。中には削り取れていた場所もあり、これこそ、点字が読める方でないとわからない部分ですので、せっかく貼ってあるのに読めない!ではもったいないです。定期的な現場確認は非常に重要だと感じました。
Nさんからは、日常生活の点字にまつわる様々なエピソードをお伺いできました。中には、故意にはがしたり削ったりする方がおられるそうです。それはとても残念な現実です・・・
確認を進めながら、展望台へ。もちろん、視覚障害者の方は見えないのですが、一緒に行った人と「こっちの方向には○○が見えるよ~」などと話すことで十分楽しむことができます。例えば、スカイツリーの模型を触ることで、どんな形のどの部分に自分がいるかを想像する事ができ、楽しい時間を過ごすことが可能です。 (第1回・UDアドバイザー通信)