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第19回「アニマル・リテラシー総研」設立!

副理事長 山﨑 恵子 (一般社団法人 アニマル・リテラシー総研 代表)

「アニマル・リテラシー™」とは?

 動物問題というと、社会一般はまずペット、特に犬や猫のことを思い浮かべます。
 動物の福祉を守ろうとしている団体の多くは行政による犬猫の「処分問題」に真っ先に目を向けます。
 しかし、我々人間社会は様々なその他の動物たちによって支えられているのです。その数は、ペットたちとは比べものにならぬほど膨大なものです。

 動物が好きか嫌いかという嗜好論は、これらの動物たちに関しては当てはめることもできません。我々人間は好むと好まざると食事、日用必需品の安全性等々、あらゆるところでその陰にいる動物にお世話になっているということです。
 アニマル・リテラシーとは、すなわち動物一般教養のことであり地球上で我ら人間と時空を共有している動物たちの実態を知ることです。
 人間社会の裏方を務めている動物たち、同じ環境を分かち合わねばならぬ動物たち、人に娯楽や癒しを与える動物たち、彼らが今どのような境遇にいるかを知ることは人類の義務であると考えます。これは、愛護活動とは異なるものです。
 正確な情報を入手し、それをもとに自らの動物観を人間は築いていかなければなりません。その動物観がどのような方向に向くかはそれぞれ個人の問題ですが、間違った情報や、正確さに欠けるデータなどをもとに形成された考え方は無意味なものです。
 特に、動物業界は様々な「個人的見解」に振り回されることが多い分野です。アニマル・リテラシーとは正しい知識を持つことです。
 皆様も、ぜひあらゆる角度からの様々な情報に触れ、アニマル・リテラシーを身に付けてください。

「アニマル・リテラシー総研」とは

 アニマル・リテラシー総研(Animal Literacy Research Institute, ALRI)とは、人間社会とかかわりのある動物たちに関する情報を普及させるために設立された民間団体です。

 動物関連の情報は、しばしば不正確な形で社会に浸透してしまいます。アニマルセラピーなどが良い例です。
 幅広く使用されているこの言葉は、おそらく動物介在療法と動物介在活動という国際的にも認識されている専門用語のことを指しているのでしょうが、曖昧で正確さにかける言葉です。
 また動物業界に関係する資格の一覧を見ると、驚くほど多種多様なものが列挙されています。
 しかし、どの程度のものが真の専門的知識に基づいて展開されているのであるかは定かではありません。
 アニマル・リテラシー総研は、国際的に発信されている確かな情報を日本語で提供することを通し、国内の知識基盤をより健全な方向に向けることを目的として設立されました。人間社会の動物とのかかわりに関して「言ったもの勝ち」という現在の我が国の情報の傾向を何とか軌道修正することを目指しています。
 また動物関連の情報で遅れを取っている我が国の状況を改善したいという思いが総研の立ち上げの大きな原動力ともなりました。資料、時事情報等々を一般の方々が入手できるような形で提供していく所存であります。

参照) アニマル・リテラシー総研ウェブサイトはこちら ⇒ http://www.alri.jp/

(第19回・理事通信)