ミオ、ブランカとの暮らしを経て、子育てもひと段落つきはじめてきた今年の3月からパートナーとなったチャンプ、この子とはこれまでの2頭とはまた違う関係になるかな、という予感があります。これまでも子育てと併行して行ってきたいろいろな補助犬啓発活動はもちろんですが、私自身の趣味や学びなどの機会もチャンプとともに広げていきたいな、と思っているからです。補助犬との暮らしはそのユーザーの暮らしに合わせて、その役割の形や、役割の幅、場、が少しずつ変わっていくということを3頭との暮らしを通して感じています。
ここで、少しだけ、私の活動や思い、そして、情報センターの理事としての意気込み(笑)をお話ししたいと思います。
私は、これまで「聴導犬とは?」そして、「障害って?」ということについて、いろいろなところで、いろいろな方を相手にお話しさせていただいてきました。
そんな活動を通して、私自身も、自分の障害のこと、補助犬たちのこと、社会の中で暮らすということ、人と人との関わり、、たくさんのことを学んでくることができました。
そして、どんなことも、まずは「見てもらうこと」「知ってもらうこと」の大切さをしみじみ感じています。
補助犬法が出来てからもう16年、、その時生まれた赤ちゃんが高校生になるほど、時間が経っています。けれども、いまだにあちこちで起きる同伴拒否、、、それは、決して、「意地悪な」気持ちから起きているのではなく、「知らないから」なのではないでしょうか。補助犬のこと、法律のこと、すぐ身近で暮らす障害のある人のこと、、そんなことを知らずにいるがゆえに、「No!」と言ってしまう、、、誰でも知らないものには警戒心を持ちますし、恐れてしまいます。そんな気持ちから出てしまう「No!」が多いのではないかと思うのです。
だからこそ、私は、「No!」と言われることは、言ったその人が補助犬法を知る、補助犬を理解するチャンスとして、受け止め、正しい情報や啓発をお返ししていけたら良いのではないか、と考えて、街を歩いています。
補助犬を拒否されるということは、その補助犬を伴った私たちを拒否されることと同じです。それは悲しく、辛いことです。
でも、「これはチャンス!」と考えると、少し、気持ちに余裕が出てくるような気がするのです。
日本補助犬センターは補助犬の育成はしていません。
けれども、補助犬への理解のある社会をつくること、明るく元気に社会へ踏み出せる補助犬ユーザー(パートナー)を「produce」して行くこと、この2つを目指して活動をしている、といえます。そしてそのことが、「生きづらさ」を抱えた多くの人々をもが「自分らしく」生きることのできる多様性共生社会につながる一助になると考えています。
私も、当事者の1人として、そして情報センターの一員として、そのように取り組んでいきたいと考えています。
今後とも、よろしくお願いいたします。
(第21回・理事通信)