現在、全国で63頭の介助犬が実働しています(2024年4月1日)。
約70年の歴史のある盲導犬と比べ、介助犬は約30年と歴史が浅く、認知度も低く頭数も少ない状況です。
我が国には176万人の肢体不自由者がおられますが、その中で介助犬を必要としている人の数は、15,000人と言われています。
※厚生労働省のほじょ犬サイトに公表されている実働頭数59頭との差違など、介助犬の詳しい頭数については、「介助犬の頭数【新着】」をご覧ください。
介助犬は、肢体不自由者のために、
などの介助を行ないます。
他にも、ドアの開閉、衣服の脱衣補助、車椅子の牽引、部屋の電気やエレベーターのスイッチ操作、起立・歩行介助、移乗の補助など、ニーズに応じて訓練されます。
外出時は、【介助犬】と書かれたケープをつけています。
手に障がいのある人は、握力が無い事も多く、特に細かい物を掴む等が難しいです。例えばお金の出し入れの際に落とす事は良くあります。ただ、コインを落とした場合、見ず知らずの方をわざわざ呼び止めて、「すみませんが、落としたので拾って下さい。」と言えるのは、「せめて100円玉以上」と肢体不自由者の方から聞きます。10円玉や1円玉等は、諦める事も多いそうです。そんな時!介助犬が居てくれたら、コインの金額など関係なく、喜んで拾って手元に渡してくれます♪
肢体不自由者の方は、在宅中も車椅子に乗って移動する方や、手すり等で伝い歩きをする方など、色々ですが、どちらにしても、移動が大変な事に変わりありません。特に、ベッドなどで寝ている状態から、身体を起こし、車椅子に移乗するという作業は、1人でできない方も多いですし、できたとしても、とても体力と時間がかかる作業です。
冷蔵庫に行く→ドアを開け、中のペットボトルを取り出す→ドアを閉める→手元まで持ってくる
というお仕事があります。肢体不自由者の方で、体調不良時に水分補給が必要な際など、これはまさに、命を守る大切なお仕事の1つでもあります。
その他、車椅子から転倒する事もよくあるそうです。それが心配で家族が出かけられないこともあります。
介助犬が居れば、転倒しても、指示をすれば手元まで携帯電話や電話の子機を持ってきてくれるので、緊急連絡手段の確保ができるようになり、家族全員が安心な日々を送れるようになります。
帰ってきて、靴を脱ぐ、上着を脱ぐ、という当たり前の作業。でも、その時に、誰かに手伝ってもらわなければできない場合、たとえ家族であっても、多少の気兼ねがあったりします。
そんな時、介助犬なら、いつでも喜んでお手伝いしてくれます。
かかとから上手に靴を加えて脱がします→手元に渡します→靴下もかかとの部分を前歯で優しくつまみ脱がします→指示された洗濯かごなどへ入れてきます
など、人にお願いした作業は『やってもらった作業』なのですが、介助犬に指示をしてできた作業=『自分ができた作業』と感じる事ができます。これは大きな自尊心に繋がり、介助犬ユーザーの自立に大きく寄与します。