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第8回「リハビリテーション関連職種の理解・協力を求む!!」

理事 野口 裕美
四條畷学園大学 リハビリテーション学部 作業療法学専攻 講師 理学療法士/作業療法士

sd_touch 今回、理事通信の原稿依頼のお話を頂き、原稿の依頼があってから投稿まで何をお伝えしようかな・・・という点も含め、少々、色々な事を考えさせて頂きました。そこでは私が補助犬事業に関わってからを振り帰る良い機会となりましたので、私見も含めて(私見が大半で)、私が介助犬の存在を知った15年前の状況と現状、抱える課題に関して、医療従事者として、当団体の役員として、取り組むべき課題について書かせて頂く事に致しました。

 あっという間の15年でしたが、冷静に考えると決して短い時間ではありません。それでは現状、補助犬を取り巻く社会の環境がどれだけ変化したのだろうか?そして自分自身がこの事業に対してどれだけ貢献することができ、社会に対して有益な情報をどれだけ提供することができたのだろか?その様な問いかけは尽きることがありません。

 私は、15年前に日本全薬工業㈱(ゼノアック)が助成する理学療法士、作業療法士を対象にした「介助犬トレーナー研修生」に応募し、参加をしたのが介助犬に関する最初の大きな関わりでした。その時の報告はゼノアックのHPに掲載されていますので、是非、ご参考にして下さい。

※ゼノアック・スカラーシップ、スカラーによる研修生の報告
 http://www.zenoaq.jp/csr/support2.html

 研修後には、「理学療法士として、客観的なデータに基づく、介助犬の身体介助機能面に関する研究を積み重ね、介助犬による身体介助効果について明らかにしてゆきたい」という掲げた目標に邁進して参りました。
 その後、大学院において作業療法士の恩師より多大なる影響を受け、機能面における研究のみならず、介助犬と生活することによってもたらされるライフスタイルや自己効力感の変化に興味を持ち、作業療法を学ぶ機会を得て、現在は作業療法学的な分野で研究活動を進めております。
 一人でも多くの理学療法士、作業療法士に介助犬の存在を知ってもらい、一般的な装具と同様に介助犬に関しても知識を蓄えて頂きたい思いで、個人的には地道に、啓発活動、研究活動、様々な活動を続けて参りました。
 しかし、ふと立ち止まってみると医療従事者の介助犬に対する認識がまだまだ低く、そして、受け入れに関しても医療機関で同伴拒否に会うケースが未だ多いのが現状です。そして、特にこの分野に関して興味を持って、共に関与する医療従事者を育成できていない現状に気が付かされます。
 今後、自立の手段として介助犬との生活が適応となる障碍者に対して、日々の臨床現場の中で情報提供し、一人でも多くの障碍者が介助犬の効果を最大限に引き出しながら、充実した生活が送れるように様な環境を作りだすためには、引き続き、そして、益々、理学療法士、作業療法士に対して介助犬の存在、効果について、情報提供する必要性を感じております。
 そして、特に、次世代に向けて、この補助犬事業の一部を支えてもらうためにも、若い世代のセラピストが補助犬に興味を持ち、効果について共に考えてもらえるような体制を整えていくことが必須であると感じております。この体制構築が私にとっては、当面、一番の課題であると考えています。
 当センターとしてもリハビリテーション専門職を対象に介助犬の情報提供するセミナーなどを計画するなど、具体的に事業を展開して参りたいと思います。

 是非、少しでもご興味、関心を持たれたリハビリテーション専門職の方々、当センターまで、ご連絡下さい。リハビリテーション専門職としてできることを色々な側面から一緒に検討していきませんか。ご連絡をお待ちしております。 (第8回・理事通信)