2023年6月12日(月)浜松市消防局(静岡県)の皆さまへ、補助犬に関する講演会を実施しました。
近年、大雨による土砂災害等でヘリコプターによる救助の機会が増えています。
「補助犬ユーザーにとって、補助犬は身体の一部。救助の際にはできる限り、ユーザーと補助犬を一緒にヘリコプターへ収容できるように訓練をしたい!」という、浜松市消防局消防航空隊ご担当者の方の熱意で実現した研修です。
この研修会は全三回を予定しており、第一回は、消防局の職員さんに向けて、障害のある方のことや補助犬について基本的なことを知って頂く座学でした。
ここからは写真のご紹介をしながら、研修の様子をお伝えします!
① 第一回目の座学研修は、航空隊に限らず、消防局の方に広くご参加いただきました。
②アイスブレイクとして冒頭にやっていただいたのは、ある3つの単語を、声を出さずに伝えるワーク。3つの単語は発音時の口の形がとてもよく似ています。3名の隊員さんに前に出てきていただき、声は出さずにジェスチャーで会場に伝えてもらいました。この写真で、それぞれどんな単語かわかるでしょうか…?(左から「シャンプー」「ジャンプ」「キャンプ」)
③ 車いす使用者の避難行動時、車いすを持ち上げることもあります。今回は会場の椅子を車いすに見立てて、4名の職員さんに持ち上げてもらいました。ちなみに椅子に座る役は、当日会場でいちばん役職が高い方にお願いをしました。「絶対に落とすなよ~!」の声に、会場は盛り上がりつつも、漂う緊張感…!それでもさすが!4名が「せーの!」と息をそろえて、慎重に持ち上げ、降ろしを行ってくださいました。
4人がバラバラに持ち上げたり、均等に力を出さないと、車いすに乗っている方がとても怖い思いをしたり、場合によっては車いすから落ちてしまうこともあります。そういったことが絶対にないよう、息をそろえて持ち上げることを改めてお伝えしました。
④盲導犬ユーザーのアテンド体験も。この日は日本盲導犬協会の職員さんとPR犬に協力してもらいました。
⑤ヘリコプターで救助する際には、機体などの都合によって犬を隊員さんが持ち上げる場合もあります。日本盲導犬協会の職員さんにレクチャーを受けながら、上手な大型犬の抱っこの仕方も体験していただきました。
研修に参加した皆さん、非常に関心を持って聞いてくださり、実務に関連した質問も多く寄せられました。
補助犬ユーザーと補助犬の救助を想定した訓練をしていただくのは、とてもありがたいことです。
とは言え、ヘリコプターでの救助は最終手段。状況にもよりますが、まずは自力で避難ができるうちに、補助犬と一緒に避難行動がとれるように日頃からの準備をしておくことも、ユーザーさんたちへ伝えていきたいと思います。
9月、11月には、浜松市消防局 消防航空隊の皆さんと、実際の機体を利用して、補助犬ユーザーと補助犬を救助するための訓練を実施する予定です。
日本補助犬情報センターでは、実際に補助犬と生活をされているユーザーさんをお連れして、行政向けのダイバーシティや障害理解研修、受け入れ方等のセミナーをオーダーメイドで実施しています。ご関心のある方は、ぜひ当会のウェブサイト
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【研修講師】(公財)日本盲導犬協会/(特非)日本補助犬情報センター